アメトーク読書芸人が今年読んだおすすめ小説・パート3【読書芸人企画】
アメトーク読書芸人がおすすめする小説・パート3【読書芸人企画】
今回は、2016年11月10日放送のアメトークにて
紹介されたおすすめ小説をご紹介します。
読書芸人企画について・・・
今回の出演は、お笑い芸人であり『火花』で芥川賞受賞した、今話題のピースの又吉直樹さん。そして多読家で知られるオアシズの光浦靖子さん。おなじく本好き芸人で有名なオードリーの若林正恭さん。さらに、今年一気にブレイクしたメイプル超合金のカズレーザーさんの計4名が、それぞれに今年読んだおすすめの小説をプレゼンします。
~今回のルール~
①各出演者のおすすめ作品(5作品)をそれぞれに紹介。
②パート3では、オードリー若林さんのおすすめを紹介。
③ネタバレ等ないように、ストーリーは簡素に紹介。
以上のルールで紹介します。
若林正恭・・・
若林 正恭(わかばやし まさやす、1978年9月20日 )は、日本のお笑い芸人、司会者、俳優。かなりの本好きで、読書芸人企画にも又吉直樹と共に数多く参加。お笑いのセンスのみならず、小説のセンスも良いと話題になっている。
それでは・・・
アメトーク読書芸人が「今最も読んでほしい!」と
プレゼンした、おすすめの小説を紹介します!
読書芸人企画~若林正恭のおすすめ小説5選~
1.コンビニ人間/村田 沙耶香(著)
画像出典:Amazon.co.jp
内容
36歳未婚女性、古倉恵子。大学卒業後も就職せず、コンビニのバイトは18年目。これまで彼氏なし。日々食べるのはコンビニ食、夢の中でもコンビニのレジを打ち、清潔なコンビニの風景と「いらっしゃいませ!」の掛け声が、毎日の安らかな眠りをもたらしてくれる。ある日、婚活目的の新入り男性、白羽がやってきて、そんなコンビニ的生き方は恥ずかしいと突きつけられるが…。「普通」とは何か?現代の実存を軽やかに問う衝撃作。第155回芥川賞受賞。
こちらは又吉直樹さん、光浦靖子さんもおすすめの一冊。三人がおすすめとして挙げる、今年を代表する文学小説です。コンビニを舞台に広がる日常とその中で展開する人間ドラマは切実で胸を打ちます。今を生きる世代の代弁してくれるかのような胸に迫る作品となっています。
2.マチネの終わりに/平野 啓一郎(著)
画像出典:Amazon.co.jp
内容
天才ギタリストの蒔野(38)と通信社記者の洋子(40)。
深く愛し合いながら一緒になることが許されない二人が、再び巡り逢う日はやってくるのか―。
出会った瞬間から強く惹かれ合った蒔野と洋子。しかし、洋子には婚約者がいた。
スランプに陥りもがく蒔野。人知れず体の不調に苦しむ洋子。
やがて、蒔野と洋子の間にすれ違いが生じ、ついに二人の関係は途絶えてしまうが……。芥川賞作家が贈る、至高の恋愛小説。
大人が読むべき恋愛小説。特に30代の大人たちが読むべき小説で、キレイごとだけを描いた青春小説のもう一つ先にある恋愛小説です。静かに燃え上がる大人の恋愛事情とそれに反するような不運と悪意。しっとりとして美しい世界観を堪能できます。
3.森に眠る魚/角田 光代(著)
画像出典:Amazon.co.jp
内容
東京の文教地区の町で出会った5人の母親。育児を通して心をかよわせるが、いつしかその関係性は変容していた。―あの人たちと離れればいい。なぜ私を置いてゆくの。そうだ、終わらせなきゃ。心の声は幾重にもせめぎ合い、それぞれが追いつめられてゆく。凄みある筆致で描きだした、現代に生きる母親たちの深い孤独と痛み。渾身の長編母子小説。
劇的な出来事を日常生活に落とし込む巧さと、些細な動作や目の前の日常風景をリアルに描くことで、より現実的に読者の前に迫ります。現代社会の抱える格差社会の闇と人間の持つ本性の恐ろしさ。分かり合えるという幻想の世界と日常を、鮮やかに描いています。終盤にかけての盛り上がりは異常で、手が離せなくなります。おすすめです。
4.美しい距離/山崎 ナオコーラ(著)
画像出典:Amazon.co.jp
内容
40歳代の妻は癌に冒され死へと向かって歩む。生命保険会社勤務の夫は愛する妻へと柔らかい視線を投げかける。人生考察の清々しさがここに。
人は生まれてきた瞬間から、余命をすり減らしながら生きている。残された時間がどのくらいか、誰にも分らない。生きる人、死にゆく人、お互いの距離も時とともに変わってゆく。変化し行く距離感をある夫婦の視点から描く山崎ナオコーラ渾身の傑作。
5.服従/ミシェル ウエルベック (著)
画像出典:Amazon.co.jp
内容
2022年、フランス大統領選。既成政党の退潮著しいなか、極右・国民戦線党首マリーヌ・ル・ペンと穏健イスラーム政党党首モアメド・ベン・アッベスが決選投票に残る。投票当日、各地の投票所でテロが発生し、ガソリンスタンドには死体が転がり、国全体に報道管制が敷かれる。パリ第三大学で教員をしているぼくは、若く美しい恋人と別れてパリを後にする。自由と民主主義をくつがえす予言的物語、世界を揺るがす衝撃のベストセラー、ついに日本上陸。
読み終わって、呆然としながら、自分にこう言い聞かせなければならなかった。
「これは小説であって現実ではないんだ」と。
「こんなことは起こらない‥‥たぶん‥いや、もしかしたら」
──高橋源一郎(作家)
シニカルな状況認識、政治的な無力感、そして人間の滑稽さに対する冷め切った視線。
ウエルベックはヨーロッパの未来も若者の力もなにも信じていない。
けれど、その残酷さこそが文学の力なのだ。
日本にはこんな作家はいない。読むべし!
──東 浩紀(批評家)
『服従』は2022年にフランスでイスラム政権が誕生するという近未来小説。フランスでイスラム政権が誕生することにリアリティがあるかどうかはさておき、ここで描き出される西洋文明論は恐ろしく説得力をもつ。その特異性とセンセーショナルな物語は、必見!超絶おすすめ本です。
さて、いかがでしたでしょうか?
今回は、オードリー若林さんのおすすめの小説5作品を紹介しました。
かなり面白いラインナップで、若林さんのセンスが光る印象です。読書芸人企画、さすがです。
次回のパート4では、メイプル超合金のカズレーザーさんのおすすめの小説を紹介します。それではまたー